うのぶろぐ

好きなことを好きなように。

宝石になった日

 緊急事態宣言が解除された。勿論まだまだ油断を許さない状況であることには変わりないが一応今までより周囲の目を気にせず県境をまたげるようになった。

 免許の更新も控えていた僕は数ヶ月ぶりに実家にか顔を見せようという気持ちになった。久しぶりの実家はやはり落ち着く。(オンラインで授業や課題が送られてくるため完全なリラックスというわけではないが。)

 そして、私は実家のコルクボードに刺さった一枚のチケットを見て郷愁を感じ、今だからこそこれについて語るしかないと思った。

 

ということで思い出に残っているライブの一つを語りたい

しばらく思い出のライブを語るシリーズやるかもしれん。

 

はじめてのドーム

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BUMP OF CHICKEN STADIUM TOUR 2016 "BFLY" 

 その今回のブログを書くきっかけになったチケットがこれだ。2016年2月発売されたBUMP OF CHICKENのデビュー後8枚目のアルバム『Butterflies』のリリースツアー『BFLY』のチケットである。

 私のバンプへの思いは以前このブログでも記したが、何を隠そう私が初めて行ったバンプのライブがこの時だったのだ。

 

 2016年4月10日、前日の9日から大阪は京セラドームで始まったこのツアー。私は、当初参加する予定ではなかった。当日高校生だった私にとってライブは地元開催に限ると思っていた。交通費、宿泊費をかけることに抵抗があった。なんせ高校生、親を説得するのには腰が折れるし、お金の問題もある。私はツアーに参加することを諦めていた。

 

 しかし、神はいた。友人の先輩が予定が合わず席を譲ってくれたのだ。私は必死に親に訴えこのチャンスをものにした。私が初めてのバンプに、初めてのドームに心躍らせたことは言うまでもない。

 初めての「遠征」は最高だった。初めて生で聞くバンプの演奏に感激し、涙を流した。決して近いとは言えない席だったが同じ空気で聞く藤原基央の声は優しくすぐそばにあった。

 

 その日は藤くんの誕生日(4月12日)が近かったこともあり僕らはみんなでハッピーバースデーを歌った。Wアンコールではそのお返しという形でメガネをかけた(彼曰く初めてステージ上でメガネをかけたとのこと)藤くんから弾き語りの逆サプライズ。選曲はまさかの「はじめてのチュウ」。最高だった思い出。

 

 奇しくもバンプとしてもレアなライブになったこの日を僕は忘れない。ライブを見て泣いたのはこの日が最初かもしれない。

 

 ライブなんていつも不要不急で、僕たちが生きる上ではそんなものなくても成り立つに決まっている。それでも僕たちがそれを望むのは、その音楽が好きというだけのつながりの他人と共に歌い共に心振るわせるから。その共振を感じれることが幸せだから。ドームが、ホールがライブハウスが見せてくれる夢が好きだから。

 

 「新しいライブの形」が提案されても僕はそのことを忘れたくない。元の通りライブができるのは全てが落ち着いた最後の最後になるだろう。それまで僕らにできるのは「思い出すこと」と「忘れないこと」ではないだろうか。

 

 最後にこのツアーの主役のアルバム『Butterflies』から「宝石になった日」の一説を。

あの温もりが 何度も聞いた声が 君がいた事が 宝石になった日

忘れないから 笑っていける 涙越えても ずっと 君といる

 


BUMP OF CHICKEN「宝石になった日」